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論文

Application of PZC to $$^{188}$$W/$$^{188}$$Re generators

松岡 弘充; 橋本 和幸; 菱沼 行男*; 石川 幸治*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*; 内田 昇二*

Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.189 - 191, 2005/12

レニウム-188は、高エネルギーの$$beta$$線を放出する等がん治療用として優れた核特性を持ち、さらに、$$^{188}$$W(半減期69.4日)の娘核種として生成し、入手が容易であるため、がん治療用RIとして注目されている。しかしながら、得られる$$^{188}$$Wの比放射能が低いため、アルミナカラムを使用した従来のジェネレーターでは、カラム容積が大きくなり、溶出した$$^{188}$$Reの放射能濃度が低くなる問題点がある。$$^{188}$$Reの放射能濃度の向上を目指して、原研と(株)化研が共同で開発したモリブデンの吸着容量がアルミナの100倍以上もあるジルコニウム系無機高分子PZCが$$^{188}$$W/$$^{188}$$Reジェネレーターへ応用可能かどうか、基礎的な検討を行った。$$^{188}$$WのPZCカラムへの吸着収率,$$^{188}$$Reのカラムからの長期溶離安定性,$$^{188}$$WのPZCカラムからの脱離の確認、そして、PZCから溶離した$$^{188}$$ReのHydroxyethylidene Diphosphonic Acid(HEDP)とMercaptoacetyltriglycine(MAG3)への標識を試みた結果、長期間における$$^{188}$$WのPZCへの安定した吸着,$$^{188}$$ReのPZCからの溶離安定性及び良好な標識率が確認でき実用化の可能性が示唆された。

論文

Labeling of bifunctional chelating agent, MAG3, with carrier-free $$^{188}$$Re

橋本 和幸; Wan, K. W. H. B. B.*; 松岡 弘充

Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.193 - 196, 2005/12

治療に有効な核的特性を有するラジオアイソトープ(RI)をがんへ集積する性質を有する生理活性物質(モノクローナル抗体等)に標識した化合物は、がんの内用放射線治療への応用が期待されている。メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)は、生理活性物質のRI標識に有用な二官能性配位子の一つである。本研究では、がん治療に有効な核的特性を有するジェネレータ製無担体$$^{188}$$ReによるMAG3標識について、直接合成法及び中間体を生成させるtransfer配位子(クエン酸及びグルコン酸)を用いた合成法による標識条件(Reの還元剤である塩化スズ濃度,pH,MAG3濃度,transfer配位子濃度,担体の有無等)の違いを詳細に比較検討した。最適条件下では、いずれの方法によっても90%以上の標識率が得られた。直接法とtransfer配位子法を比較すると、直接法は、反応を窒素気流中で行い、さらに溶媒の除去操作が必要であるが、transfer配位子法では必要がない。したがって、操作上は、transfer配位子法の方が簡便である。また、transfer配位子の違いにより、標識率のpH依存性の違いや室温での反応性の違いなどが観察された。今後は、transfer配位子の違いによる抗体標識及びtransfer配位子を利用した他の有用配位子の標識に関する検討を行う予定である。

論文

Development of a Rhenium-186-labeled MAG3-conjugated bisphosphonate for the palliation of metastatic bone pain based on the concept of bifunctional radiopharmaceuticals

小川 数馬*; 向 高弘*; 荒野 泰*; 小野 正博*; 花岡 宏史*; 石野 誠悟*; 橋本 和幸; 西村 洋*; 佐治 英郎*

Bioconjugate Chemistry, 16(4), p.751 - 757, 2005/07

 被引用回数:61 パーセンタイル:86.86(Biochemical Research Methods)

患者のQOL(生活の質)の向上を目指した癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として、ビスホスホネート化合物の一つであるHEDPに$$beta$$線を放出する$$^{186}$$Reを標識した$$^{186}$$Re-HEDP化合物が検討されているが、血液クリアランスの遅さや胃への高い集積などが問題となっている。これはおもに、$$^{186}$$Re-HEDPが多核錯体であり、体内で不安定であるためであると考えられている。そこで、本研究では、二官能性放射性医薬品の概念に基づき、安定な$$^{186}$$Re単核錯体である$$^{186}$$Re-MAG3(メルカプトアセチルトリグリシン)をビスホスホネート骨格を持つ化合物に導入した新規薬剤$$^{186}$$Re-MAG3-HBPを設計・合成し、その特性を調べた。その結果、MAG3-HBPと$$^{186}$$Re標識クエン酸の配位子置換反応により、$$^{186}$$Re-MAG3-HBPを95%以上の放射化学的純度で合成できた。また、本化合物は、リン酸緩衝溶液において、24時間後でも分解は観察されず、$$^{186}$$Re-HEDPに比べてかなり安定であった。さらに、動物実験の結果、$$^{186}$$Re-MAG3-HBPは、$$^{186}$$Re-HEDPに比べて、高い骨への集積,速い血中クリアランス及び低い胃への集積を示し、癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として優れた特性を有していることが明らかになった。

論文

Design of a radiopharmaceutical for the palliation of painful bone metastases; Rhenium-186-labeled bisphosphonate derivative

小川 数馬*; 向 高弘*; 荒野 泰*; 花岡 宏史*; 橋本 和幸; 西村 洋*; 佐治 英郎*

Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals, 47(11), p.753 - 761, 2004/11

 被引用回数:28 パーセンタイル:61.65(Biochemical Research Methods)

癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として、ビスホスホネート化合物の一つであるHEDPに$$beta$$線を放出する$$^{186}$$Reを標識した$$^{186}$$Re-HEDP化合物が検討されているが、血液クリアランスの遅さや胃への集積などが問題となっている。これはおもに、$$^{186}$$Re-HEDPが多核錯体であり、体内で不安定であるためであると考えられている。そこで、本研究では、安定な$$^{186}$$Re単核錯体である$$^{186}$$Re-MAMA(モノアミンモノアミドジチオール)をビスホスホネート骨格を持つ化合物に導入した新規薬剤$$^{186}$$Re-MAMA-BPを設計・合成し、その化学的挙動を調べた。その結果、$$^{186}$$Re標識グルコヘプトン酸の配位子置換反応により、$$^{186}$$Re-MAMA-BPを標識率32.0$$pm$$4.1%で合成することができた。また、本化合物は、緩衝液中(pH7.0)では、$$^{186}$$Re-HEDPに比べてかなり安定であった。したがって、$$^{186}$$Re-MAMA-BPは、癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として優れた化学的特性を有していることが明らかになった。

論文

Analysis of $$^{188}$$Re-EDTMP complexes by HPLC and ultrafiltration

橋本 和幸; 松岡 弘充

Radiochimica Acta, 92(4-6), p.285 - 290, 2004/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

リン酸基を含む有機配位子を放射性レニウムで標識した化合物は、骨へ集積するために、骨がんの疼痛緩和薬剤としての利用が期待されている。これまでの種々のリン酸基を含む配位子の$$^{188}$$Re標識化合物の研究から、Re担体の有無により、標識率や安定性及び骨の無機質の主成分であるヒドロキシアパタイトへの$$^{188}$$Re-EDTMPの吸着挙動に違いがあることがわかった。この要因として、「担体の有無による化学形の違い」が考えられるが、Re標識リン酸化合物の化学形に関しては、無担体の化合物の知見が全くないため担体の有無による化学形の比較・考察ができない。そこで本研究では、$$^{188}$$Re-EDTMPのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)及び限外ろ過膜を用いた分析を行い、化学形に対するRe担体の影響を調べた。その結果、$$^{188}$$Re-EDTMPは、複数の化学種の混合物であり、担体の有無によりその化学種分布が異なること,その分子サイズの分布も、担体の有無により異なることなどがわかり、担体の有無による$$^{188}$$Re-EDTMPの化学形が違いを実験的に初めて明らかにした。したがって、担体の有無による標識率,安定性及びヒドロキシアパタイトへの吸着挙動の違いの要因は、担体の有無による化学形の違いであると結論付けた。

論文

Separation, purification of $$^{177}$$Lu$$^{m}$$ and preparation of $$^{177}$$Lu$$^{m}$$-EDTMP

Chen, D.*; 橋本 和幸

Journal of Nuclear and Radiochemistry, 26(2), p.84 - 87, 2004/05

$$^{177}$$Luは、がん治療に適した$$beta$$線及び画像化に適した$$gamma$$線を放出し、かつ治療に適当な半減期(6.75日)を有していることから、がん治療用核種の一つとして注目されている。一方、$$^{177}$$Luの放射性医薬品を研究開発するうえで、体内動態など長期的に追跡するためには、より半減期の長い$$^{177}$$Luの核異性体である$$^{177}$$Lu$$^{m}$$(160.9日)が有効と考えられる。そこで、本研究では、$$^{177}$$Lu$$^{m}$$の製造法として、酸化ルテチウム(Lu$$_{2}$$O$$_{3}$$)の中性子照射により生成する$$^{177}$$Lu$$^{m}$$をターゲット中に存在した不純物に由来する副生成物($$^{46}$$Sc, $$^{169}$$Yb, $$^{170}$$Tm等)から陽イオン交換法により分離する方法を検討した。その結果、分離して得られた$$^{177}$$Lu$$^{m}$$の放射能量は、製造終了時において18.2MBq(Lu$$_{2}$$O$$_{3}$$:30mg, 照射:JMTR591時間, 冷却時間:318日間)であった。これはターゲット溶解時の母液中の放射能18.7MBqに対して97.3%の収率であった。放射性核種純度は、99.5%以上であった。また、得られた$$^{177}$$Lu$$^{m}$$を使用して、転移性骨がんの疼痛緩和薬としての利用が期待される標識化合物であるルテチウム-アミノメチレンリン酸化合物($$^{177}$$Lu$$^{m}$$-EDTMP)の合成条件の検討を行い、97%以上の高い標識率が得られる条件を決定した。

報告書

がん治療医薬の開発を目指した放射性レニウムに関する研究,第2次報告; 製造・標識化合物の合成とその体内動態

アイソトープ専門部会

JAERI-Research 2004-001, 117 Pages, 2004/02

JAERI-Research-2004-001.pdf:5.26MB

本研究は、アイソトープ専門部会の放射性レニウムに関する研究グループ(原研及び協力研究機関)の下で行われたものであり、1998年3月の第1次報告(JAERI-Research 98-015)以降に得られた放射性レニウム$$^{186}$$Re及び$$^{188}$$Reの製造,放射性レニウムを用いた標識化合物の合成及びその標識化合物のマウス体内動態に関する成果をまとめたものである。放射性レニウムの製造に関して、原子炉を用いた$$^{186}$$Re製造法の改良,加速器を用いた$$^{186}$$W(d, 2n)$$^{186}$$Re反応による無担体$$^{186}$$Reの励起関数の測定及び$$^{186}$$W/$$^{188}$$Reジェネレータから得られる無担体$$^{186}$$Reの濃縮法の検討を行った。次に、放射性レニウムの利用に関する研究の一環として、放射性レニウム標識化合物合成における穏和な条件の探索,腫瘍骨転移の疼痛治療に関する新規化合物の開発,放射性レニウム標識抗体・ペプチドにおける母体化合物となる有機レニウム化合物の開発,$$^{186}$$Reを用いた放射免疫療法の効果に関して検討を行った。また、基礎的検討として、二官能性配位子として有用なMAG3, MAMAの$$^{188}$$Re標識及び$$^{188}$$Re標識アミノメチレンリン酸化合物のヒドロキシアパタイトへの吸着挙動に関する研究を行った。

論文

In vivo recognition of Cyclopentadienyltricarbonylrhenium (CpTR) derivatives

上原 知也*; 小池 美穂*; 中田 英夫*; 宮本 重彦*; 本石 章司; 橋本 和幸; 奥 直人*; 中山 守雄*; 荒野 泰*

Nuclear Medicine and Biology, 30(3), p.327 - 334, 2003/04

 被引用回数:20 パーセンタイル:50.16(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)

$$^{186/188}$$Re標識低分子化抗体やペプチドによる癌の治療には、腎臓への放射能集積を示さない一方で、癌組織には長時間に渡る選択的な放射能集積を与える標識体の設計が必要である。そのためには、生体内で安定であり、かつ尿細管で母体タンパク質から遊離された際に、腎細胞へ取り込まれることなく、速やかに尿中へと排泄を受けるRe錯体の選択が重要である。本研究では、Cyclopentadienyltricarbonylrhenium(CpTR)をタンパク質やペプチドの$$^{186/188}$$Re標識薬剤へ応用する目的で,CpTR-COOH及びそのグリシン(Gly)結合体の生体内での代謝を検討した。その結果、両者はともに血漿中及び緩衝液中で安定であった。一方、マウスに投与した場合、脂溶性の高いCpTR-COOHは胆汁排泄と尿排泄を受けたが、水溶性の高いCpTR-Glyは尿排泄のみを受けた。さらにCpTR-COOHは、複数の水溶性代謝物として排泄されるのに対して、CpTR-Glyは、代謝を受けずにそのまま排泄された。これらの結果から、腎臓刷子縁膜酵素の作用で母体ペプチドから[$$^{186/188}$$Re]CpTR-Glyを遊離する標識試薬は、腎臓での放射能滞留の解消に有用と考えられる。

論文

ポジトロンイメージング装置(PETIS)とイメージングプレート(IP)による植物研究のためのポジトロンイメージング

松橋 信平; 内田 博*; 久米 民和

Radioisotopes, 49(11), p.38 - 50, 2000/11

ポジトロン標識化合物をトレーサーとして用いた植物ポジトロンイメージング計測へのラジオルミノグラフィの応用について紹介するとともに、イメージングプレート(IP)を用いたポジトロンイメージングでの問題点、植物研究分野への応用の課題などについて解説を加えた。IPによるポジトロンイメージングの長所としては、広視野で二次元分布計測が可能、IPの数を増やせばバイオイメージングアナライザー(BAS)による読み出し必要時間に関係なく計測が可能であることなどがあるが、生きた植物試料での経時計測が困難、厚さのある試料では画像がボケてしまう、などの短所が考えられる。IP計測は、すべてのポジトロンイメージングに適しているわけではないが、試料の形状、検出する放射線の種類などの条件が整えば、植物内の放射能二次元分布を得るために有効な計測手法であり、原研で開発したポジトロンイメージング法と組み合わせることにより、その特徴を生かせることを示した。

論文

植物研究のためのポジトロンイメージング法の開発

松橋 信平; 久米 民和

放射線化学, (70), p.20 - 25, 2000/09

ポジトロン標識化合物をトレーサーとして用いた植物ポジトロンイメージングについて、ポジトロン放出核種の種類・特徴とその標識化合物を植物研究に用いるメリット、ポジトロンイメージングの計測原理と原研が開発した植物研究用ポジトロンシメージング装置(PETIS)の特徴について解説を加えた。また、$$^{11}$$Co$$_{2}$$を用いた光合成産物移行計測を例に、ポジトロン標識化合物の製造方法、得られたポジトロン標識化合物の植物への投与方法などを紹介し、計測により得られた画像例を示すとともに解析手法について説明を加えた。さらに、定量的ポジトロンイメージング計測を行う必要性、定量化への問題点とその解決法について紹介した。

論文

癌性骨転移の疼痛緩和を目的とする放射性レニウム標識bisphosphonateの新規設計

小川 数馬*; 小野 正博*; 藤岡 泰*; 佐治 英郎*; 向 高弘*; 小西 淳二*; 上原 知也*; 荒野 泰*; 小野間 克行

核医学, 37(5), P. 577, 2000/09

$$^{186}$$Reとbisphosphonate(BP)のひとつであるHEDPとの多核錯体である$$^{186}$$Re-HEDPは、癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として期待されているが、生体内での安定性が乏しいことが問題である。そこで生体内で安定な$$^{186}$$Re標識骨疼痛緩和剤の開発を目的として、BPの炭素側鎖に$$^{186}$$Reと安定な錯体を形成する部位を結合した化合物を設計した。目的とする化合物は総収率2.7%で合成された。$$^{186}$$Re標識は、$$^{186}$$Re標識glucoheptonateとの配位子交換反応により行い、放射化学的純度は95%以上であった。なお、本標識化合物の体内動態については、現在検討をすすめている最中である。

論文

$$beta$$線放出核種によるリン酸化合物への標識; 転移性骨腫瘍による疼痛の緩和を目指して

橋本 和幸

Radioisotopes, 48(7), p.505 - 506, 1999/07

甲状腺癌,乳癌,前立腺癌などが進行すれば多くの場合骨転移を生じ、激しい痛みを患者に与える。この痛みを緩和するのに、高エネルギーの$$beta$$線を放出する放射性医薬品が注目されている。リン酸基を含む化合物は、骨へ集積することが知られており、そのRI標識化合物である$$^{99m}$$Tc標識化合物が骨疾患の診断薬として幅広く使用されている。そこで、治療に有効であると考えられる$$beta$$線放出核種を用いてリン酸化合物を標識し、骨にこの核種を集積させることにより疼痛緩和を行おうというものである。本稿では、疼痛緩和を目指した$$beta$$線放出核種によるリン酸化合物への標識について$$^{186}$$Re,$$^{188}$$Re,$$^{153}$$Sm及び$$^{177}$$Luの例を簡単に紹介した。

論文

Labelling of aminomethylenephosphonate derivatives with generator-produced $$^{188}$$Re, and a study of their stability

橋本 和幸

Applied Radiation and Isotopes, 51(3), p.307 - 313, 1999/00

 被引用回数:12 パーセンタイル:66.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

放射性レニウム($$^{186,188}$$Re)で標識したリン酸系化合物は、骨への集積が認められ、骨がんの痛みの緩和薬としての利用が期待されている。これまでに、$$^{188}$$Re-MDP及び$$^{188}$$Re-HEDPの合成条件を明らかにしてきた。一方、サマリウム-153で標識したアミノメチレンリン酸化合物(EDTMP)も骨がんの痛みの緩和薬としての有効性が見いだされてきた。そこで本研究では、ジェネレータから得られる無担体の$$^{188}$$Reを用いて、アミノメチレンリン酸誘導体(EDTMP,EDBMP及びNTMP)の標識条件の検討を行った。その結果、最適条件下では、95%以上の高い標識率が得られた。次に、得られた標識化合物のpH変化及び生理食塩水による希釈に対する安定性について調べた。その結果、$$^{188}$$Re-NTMP$$<$$$$^{188}$$Re-EDBMP$$<$$$$^{188}$$Re-EDTMPの順で安定性が増大することが明らかとなった。

論文

Production of positron emitters and application of their labeled compounds to plant studies

石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 松橋 信平; 久米 民和; 関根 俊明; 内田 博*; 辻 淳憲*; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.417 - 421, 1999/00

 被引用回数:27 パーセンタイル:86.12(Chemistry, Analytical)

これまで原研高崎のAVFサイクロトロンを利用して生物医学分野で有用となるラジオアイソトープの製造技術の開発を行ってきた。最近では、ポジトロン放出核種の製造技術の開発と二次元ポジトロンイメージング装置の開発により、植物での生理機能を解明する実験が可能となった。われわれが現在進めている植物における物質移動の動的な計測方法とそれらの実験に必要なポジトロン放出核種の製造技術及びその標識化合物の合成研究について発表する。

論文

Synthesis of $$^{186}$$Re-DMSA and its biodistributions in mice

野川 憲夫*; 百瀬 静香*; 宮沢 香*; 巻出 義絋*; 大橋 國雄*; 橋本 和幸; 森川 尚威*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.385 - 389, 1999/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.17(Chemistry, Analytical)

放射性レニウム($$^{186}$$Re,$$^{188}$$Re)は$$beta$$線を放出することから、近年、がん治療に有効な標識化合物の開発が行われている。$$^{99m}$$Tc-ジメルカプトコハク酸($$^{99}$$mTc-DMSA)は、腎臓のイメージング試薬として幅広く使用され、さらに、甲状腺がんなどに集積することも知られている。そこで、原研製の$$^{186}$$Reを用いた$$^{186}$$Re-DMSA標識化合物の合成条件を検討し、さらにマウスにおける体内挙動を調べた。反応条件(試薬の量、pH、反応時間等)を変えて$$^{186}$$Re-DMSAの標識率を調べた。その結果、最適条件下で、95%以上の標識率が得られた。さらに得られた$$^{186}$$Re-DMSAは酢酸緩衝液中及びマウス血清中において安定であることが明らかになった。$$^{186}$$Re-DMSAのマウスにおける体内分布に関しては、骨への集積が最も高く、次いで腎臓に集積した。この分布は、$$^{99m}$$Tc(V)-DMSAの分布に類似していることが明らかになった。

報告書

がん治療医薬の開発を目指した放射性レニウムに関する研究; 製造・標識化合物の合成とその体内動態

アイソトープ研究委員会

JAERI-Research 98-015, 197 Pages, 1998/03

JAERI-Research-98-015.pdf:7.65MB

本論文では、アイソトープの製造・標識専門部会の放射性レニウムに関する研究会の下で行われた放射性レニウム$$^{186}$$Re及び$$^{188}$$Reの製造、放射性レニウムを用いた標識化合物の合成及びその標識化合物のマウス体内動態について得られた成果をまとめた。まず、原子炉を用いた$$^{186}$$Re、加速器を用いた無担体の$$^{186}$$Re及び$$^{188}$$W/$$^{188}$$Reジェネレータによる無担体$$^{188}$$Reの製造法を確立した。次に、放射性レニウムを用いた二リン酸誘導体DMSA,DTPA,DADS,アミノメチレンリン酸誘導体及びモノクローナル抗体の標識条件(pH,試薬濃度等)を検討し、最適標識条件を決定した。さらに、その標識化合物のマウス体内動態を調べ、臨床応用への可能性について検討した。

論文

AVFサイクロトロンによる植物研究用ポジトロン放出核種標識化合物の製造

石岡 典子

放射線と産業, (80), p.11 - 15, 1998/00

ポジトロンは、電子とともに消滅して511keVのエネルギーの$$gamma$$線をほぼ反対方向に放出する。この$$gamma$$線の両方を検出すると、2つの検出器を結ぶ直線上でポジトロンが消滅したことが分かる。そして、その近傍にポジトロンを放出した核種が存在したことが分かる。この特徴のために$$^{11}$$C,$$^{13}$$N,$$^{18}$$F等のポジトロン放出核種は、トレーサーとして医学において盛んに利用されている。原研では、同じ原理を用いる植物用のポジトロンイメージング装置(PETIS)を開発し、植物体内におけるポジトロン放出核種の動きを二次元画面上で追跡することを可能にした。この装置を用いて植物の生理・生化学的な機能を解明するために、我々は高崎研TIARAのAVFサイクロトロンによるポジトロン放出核種の製造・標識合成技術の開発を進めている。ここでは、ポジトロン放出核種を製造するために開発した照射ターゲットシステム及び現在進めている植物実験用ポジトロン放出核種や標識化合物の製造について、その方法や特徴を分かり易く紹介する。

論文

A New water target system for the production of $$^{18}$$F and $$^{13}$$N to be used in plant study

石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 関根 俊明

Synthesis and Applications of Isotopically Labelled Compounds 1997, p.669 - 672, 1998/00

植物生理機能の解明研究に必要である$$^{18}$$F及び$$^{13}$$N(ポジトロン放出核種)を製造するために、氷をターゲットとして用いることが可能な新しいターゲットシステムを開発した。原研高崎のAVFサイクロトロンで開発された二次元ポジトロンイメージング装置とこれらのポジトロン放出核種をトレーサーとして用いることにより、植物の物質移動を動的に計測することが可能となる。本報告書では、新しく開発した水ターゲット照射システムとそれを用いた$$^{18}$$F及び$$^{13}$$Nの製造技術の開発について発表する。

論文

Preparation of rhenium complexes labeled with carrier-free $$^{188}$$Re for nuclear medicine

橋本 和幸; S.Bagiawati*; S.Islam*

Radiochemistry, 39(5), p.389 - 393, 1997/00

放射性レニウム($$^{186}$$Re、$$^{188}$$Re)は、その優れた核的性質及びテクネチウムと類似した化学的性質から、核医学の分野の治療の分野で有望視されている放射性核種である。本研究では、$$^{188}$$W/$$^{188}$$Reジェネレーターから得られる無担体の$$^{188}$$Reを用いて、核医学の分野での利用が期待される標識化合物の合成条件の検討を行った。配位子としては、二リン酸誘導体(MDP、HEDP)及びジメルカプトコハク酸(DMSA)を用いた。還元剤である塩化スズの濃度、反応温度、酸化防止剤の添加、配位子濃度、pH、担体添加などの反応条件を変化させて、各々の標識率の変化を調べ、最適条件を決定した。さらに、得られたレニウム化合物のpH変化及び希釈に対する安定性についても調べ、安定性に影響を及ぼす条件についても検討した。

報告書

テクネチウム99の環境移行に関する調査研究(2)

not registered

PNC TJ1621 96-001, 80 Pages, 1996/03

PNC-TJ1621-96-001.pdf:2.34MB

テクネチウム-99は、核分裂収率が高く、半減期も21万年と極めて長いため、核燃料サイクルに係わる環境影響評価上重要な核種である。環境中のテクネチウム-99は、多様な化学形(存在状態)をとるため、土壌および海洋環境における振る舞いが複雑であり、バックグラウンドレベルの把握および移行挙動の解明を行う必要がある。このため、本研究では、日本国内のバックグラウンドレベルの調査および移行挙動に係わる研究を総合的に実施する。この報告書には、昨年度からの継続"陸上生態系におけるテクネチウム-99の移行挙動"に関して、すでに報告されている文献を調査した結果を記すと共に、環境試料中のテクネチウム-99濃度の定量法に関して、化学分析の際の収率補正用のテクネチウムトレーサー(95mTC)の製造法および実際の環境土壌や堆積物試料を用いての99Tc分析のクロスチェックを実施した結果を記した。

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